2012年7月4日水曜日

羊頭を掲げて狗肉を売る 的な

「京都のお蕎麦はまずくて…」 とおっしゃる方が時折おられます。
事実としてはそんなこともなくて、特にいわゆる「ニューウェーブ系」なんかびっくりするほどおいしいとこもありますから、「京都の蕎麦」とひとくくりにして「まずい」といってしまうのは何だかなあ、とおもうのですけどね。

定休日は勉強のためにほうぼうの手打蕎麦を食べに行くようにしてるんです。近頃のテーマは、粗挽き蕎麦について明確な概念を持つこと、なんですけど、たまたまお目当ての店が行ってみたらお休みでして、しゃあないし、その近所の「手打蕎麦」の店に行ってみようと思ったのでした。もんのすごくメジャーな観光スポットです。以前から看板に「手打ち」の文字があったので気にはなっていたのですけど今までちょっとタイミングが合わなかったので。

まあ、先客が普通にたばこ吸ってたんで、ちと悪い予感はあったのですけどね。
んでも「手打ち」ですし。それなりの期待をもって当然かと。注文は天ざる。1600円オーバー。
つやつやとしたお蕎麦の上にパラパラもみ海苔。チョコ一杯のダシ、徳利なし。天つゆ/塩なし。
一口つまむ。ああ。
天地神明にかけて、機械打ち。
いや、別に不味かったというほどでもなくて、普通の機械製麺のお蕎麦。
でもさ、「手打ち」って書いてあったやないの?それって、どやさ?

そのお店には失礼な話だけど(いや、ワシちゃんと金払ったんやし文句言う権利はあるよね)、口直しにもう一軒!
ちょっと歩いたとこに「手打ちそば処」。ここは禁煙。
注文は天ざる。1500円オーバー。
なんか艶のないお蕎麦の上にパラパラもみ海苔。チョコ一杯のダシ、徳利なし。天つゆ/塩なし。
一口つまむ。え?
二口三口。まさかまさか、まじっすか?
天地神明にかけて、乾麺。
いや、ホントに乾麺か真相はわからんすけど、なんかぽきぽきした感じでまさにそんな味でした。ぜってーに手打ちぢゃねー。

そいえば、やはり京都のメジャー観光スポットのお蕎麦屋さん、山歩きの帰りに通りがかったとき、「手打ちですよ~」という呼び声に惹かれて入ったんですが、そこも思いっきり機械製麺でした。
そんな商売ってどーなんだろー?

いや、別に機械だからアカン、手打ちだからイイと言いたいのではないのです。実際、下手な手打ちよりも機械打ちのほうがマシ、という例だってありますし。(当店の最初期だってそうだったかもなあ… (^_^;) )
 問題は、手打ちでないのに「手打ち」と掲げ、客を惑わすことであるだろうと。
え~?京都の商売ってそんなん?ということになると本来前提としてあるはずの信頼関係が崩壊する。ぎすぎすした猜疑心の中で蕎麦を食う、なんてことになりかねませんぜ、旦那。

まあ、「手打ち」ったって木鉢作業をミキサーでとか、延し以降の作業を製麺機でとか、大量の製麺をする際、一部工程に機械を導入するというのはありますが、それは「手打ち」の定義上OKらしいので「すべて人力でないとアカン」なんて言いませんけど。でも全工程を機械に任すとか、生麺を仕入れるとか、乾麺使うとか、それを「手打ち」と言ってしまうのはなんだかなあ。

お蕎麦屋ハシゴして3000円以上も使ったのに、肝心の蕎麦で満足させてもらえなかったもんスから。

え?切れてないっスよ?


そうそう、帰って口コミサイトみたらハシゴした両店、どっちも結構評判いいんですよね。いや、みなさん、それでホントにいいの?食○ログの信頼性が地に落ちちゃうよ?

え?切れてないっスよ?

 んじゃまた
亭主敬白