2012年9月23日日曜日

粗挽き十割そば

二周年を機に、メニューに載せました。

「粗挽き/荒挽き」(あらびき)というのは、店によって定義が違うようで、同じ「粗挽き」という用語を使っていても、その実態は様々であります。どうにもとらえどころがない。
ただ狙いとするところは、粗めの粉というか粒というか、それを残すことで蕎麦の風味や味にインパクトを与える、ということみたい。
で、最初、とりあえず粗めに挽いた粉で試作。水加減の失敗もあったけど、なんやもっさい蕎麦になってまって。これぢゃあ、ただの粗めの挽きぐるみ田舎蕎麦だなあ。

私淑する師匠のアドバイスをいただいて、粗めの粉(というか挽き割りの「粒」というか )を微粉に混ぜて打ったところが、なんと!めちゃめちゃ美味しいではあ~りませんか!
まあ、どしても長く長くはつながりにくくて、手繰る感じにはならないのですが、ダシに浸けて食べるとこいつはかなりもったいないので、結局塩で食べるという類の蕎麦ですし、なんにせよ、よく噛みしめて食べると蕎麦の甘み旨味香りが口中に拡がり、後々まで残る、ということからいうと、多少短くてもそれはあまりマイナス要因にはならない、と思ったのでありました。酒のアテとして、ゆっくり飲みながらつまむ、というのもアリかな?というぐらいですから、ウチが通常出してる蕎麦、山科区民が多く認知している蕎麦とは全然別種の蕎麦だなあ。

んで、やっぱり打つのがちと難しい。毎度毎度スリリングな感じで実に楽しいのでありますね。豆餅みたいにつぶつぶの異物がちりばめられた生地を恐る恐る延して畳んで切るとね、粒をぶすぶす切断してる感触がこわいような楽しいような。

てなわけで、なんとかかんとかメニュー化した粗挽き十割。
土日祝のみ、枚数限定でのご提供。
んで、美味しいけど手繰ってズズズッっていう爽快感はないので、半量でのご提供。蕎麦本来の旨味をゆったりじっくり噛みしめて味わうお蕎麦です。
紅い、ヒマラヤの岩塩と少量のダシを添えて提供いたします。

・粗挽き十割蕎麦 880円 土日祝のみ

んじゃまた
亭主敬白