開店当初のはビール会社が作ってくれたやつでA3二つ折りラミネートで、さすがにレイアウトや配色もプロっぽくてみごとなもの。
とはいえ、ウチも開店8ヶ月。いろいろ料理が増えたり消えたりして実体に合わなくなってくる。増えた料理は店内にPOP貼ったり、別紙で対応。
消えた料理は…、メニューブックに白ビニールテープを貼って隠す。これがじじむさいのね。
またビール会社に依頼して作り直せばすればいいんだろうけど、すぐに変更できないのって、先々考えてもじゃまくさいなあ。
で、ファイルブック形式にして、プリンタ出力したのをクリアファイルで綴じ込む形にしました。これならメニューの変更もすぐにできる。
で、これを機に、料理の名称変更をしたのであります。
「せいろ」 → 「ざる」
「せいろ」という関西では耳慣れない呼称がもたらす異化作用で差別化をはかる、みたいな意図を持ってたんですがね、いちいち説明するのんがじゃまくさい。「せいろ」と聞いて「蒸籠」をイメージして「温蕎麦」と思うお客さんもいる。
料理名とは何か?
ある実体を表す記号である。
従って誤解可能性の少ない方がより機能的である。
んじゃあ、もういいや!「ざる」で! (笑)
もっともね、ウチの冷たい蕎麦は「ざる」に盛ってお出しするわけではない。
といって「蒸籠」でもない。
美濃焼の平皿に竹簀をおいてその上に堆く盛っている。ターヘルアナトミア風に言うとフルヘッヘンドさせてるんですが、これは実は槍ヶ岳をイメージしてるのでありますね。
ま、槍ヶ岳の形状の話はともかく 、これは正確には「盛りそば」というべきなのでありましょう。しかし、「もりそば」ってのも関西ではあんまり即時的了解可能性を期待できる用語ではないのでありますね。「もり」と「かけ」の違いだってあんまり日常的な知識ぢゃあないよ。
それに、どうも「もりそば」の「M」音が涼しげじゃあない。「もさい」「もっちゃり」「むしあつい」、それに「むら」「無駄」「無理」のダラリにも共通した「M」!
それに引き替え「S」や「Z」の涼しげなこと。なんといっても「涼しい」=「SuZuSiI」ですからね。「せいろ」とか「ざる」ってのは、すっきり、ざっくり、夏の涼味感たっぷりなわけであります。
そういえば「かけ」ってのも音的にはスパッとしててそんなに暖かい感じがしないのでありますね。「かけ」と聞いてその実体がすぐにイメージできる人はともかく、そうでない人にとっては必ずしも湯気の浮かぶ蕎麦は思い浮かばない。そのへんが「かけ」と「もり」の混同しやすさに繋がっているのではないかと。
と、まあ、個人の恣意的な解釈もかなり含めた思量の結果、ウチの「せいろ」は消えました。
「ざる」です。
亭主の酒量や短期記憶の悪さの話ではありません。誤解なきよう。
んじゃまた
亭主敬白