2011年12月28日水曜日

残念なお知らせ

え~と、
当店、昨年9月オープン以来1年と4ヶ月、この山科音羽の地で手打ちそばを広めるべく日々精進を重ねて参ったわけでありますが、誠に残念ながら、本年12月31日(土)をもちまして今年の営業を終了させていただくこととになりました。時の流れにはあらがうすべもなく、実に痛恨の極みではありますが、最後の最後まで一皿ひとさらのおそばに心を込めお客様にご満足いただけるよう努めて参りたいと存じます。
あまりはやらぬ小さな店とはいえ、一年を通してみればたくさんの方々にお越しいただきました。「ビックリするくらい美味しかった」とおっしゃるお客様もおられましたし、貴重なご意見を給わるお客様もおられました。日々、小さな実践の積み重ねの中で、そう多くはありませんが常連になって下さる方もおられました。ただただすべての皆さまに感謝いたすのみです。誠にありがたく存じます。
残された時日はもうあと3日。できうればこの間にすべての皆さまにご挨拶を直接させていただきたく思い、ぜひとも御来店いただき親しく御礼及び年末のご挨拶を申し上げたいと願っております。気ぜわしいみぎりではございますがどうか足をお運びいただきたくお願い申し上げる次第です。
寒い日が続きます。お身体御自愛いただき、良き新年を迎えられますよう祈念いたしております。

なお新年の営業は5日から。新年会のご予約もお待ちしております。来年も宜しくお願い申し上げます。(^o^)

んじゃまた
 亭主敬白

2011年12月21日水曜日

スピルバーグとイスラム

「タンタンの冒険」を観てきたのであります。今公開中の映画なのでありますが。ワタクシ、タンタンって全然馴染みがないのですがスピルバーグとピージャクが噛んでる映画となればとりあえず面白かろうと思いまして。
うん、面白うございました。

年をとるとヘンコになるんでしょうねえ、実にトリビアルなことが気になる。
タンタンは悪漢を追ってモロッコへ。そこで首長?族長?太守?なんていうのかわかりませんがイスラム風の支配者が登場。で、なんだかお間抜けな役回りで。なんかバカにしてねえか?
そいえば「バックトゥザフューチャー」でもドクを追うのが戯画化されたリビア人。

スピルバーグってなんだかあっち方面に恨みでもあんのんか?ユダヤの人やし?
まあ、それはともかく、なんかね、違和感があったのでした。

おそばはフランス語では「サラセンの麦」 (Bre Sarrasin)というくらいで、イスラムと蕎麦は結構古いえにしが。そば屋であるワタクシ的には、サラセン文化、イスラム文化って決して侮ったらアカンと思っているのでありますよ。  (原理主義はかんべんしてほしいすけどね)

んじゃまた
亭主敬白

年越しそば 年末年始の営業のご案内

速いですねえ。もう今週末はクリスマス。
ということで遅ればせながら年越し蕎麦及び年末年始の営業のご案内を。

☆年越し蕎麦のお持ち帰り
12月31日お渡し
一人前650円 生そばとおダシのセット
おダシは「ざるそば」用か「かけそば」用を選んでいただけます。
12月29日がご予約の締め切りです。

☆年末年始の営業
12/22 木 営業
23 金 営業
24 土 営業
25 日 営業
26 月 営業
27 火 営業
28 水 お休み
29 木 営業
30 金 営業
31 土 営業
1/ 1 日 お休み
      2 月 お休み
      3 火 お休み
      4 水 お休み
5 日 営業開始

昨年の大晦日は大雪でえらいことでしたが、果たして今年はいかなる事にあいなりますやら。
今年も残りあとわずか。無事年を越せるよう頑張りたいと思います。

んじゃまた
亭主敬白

2011年12月12日月曜日

山科義士まつり 昼営業します

12月14日は赤穂浪士の吉良邸討ち入り記念日。という言い方はしませんが大石内蔵助が討ち入り前に住んでた山科ではこの日、義士祭りが行われます。
今年は水曜日。当店定休日ですが「義士そば」出してるそば屋が義士祭りに営業休ンぢゃあいけませんね。やります。あけます。営業します。お昼だけですけど。
たくさんの義士ファンの皆さまの御来店をお待ち申し上げております。
天気予報はあいにく雨模様みたいですが…

んじゃまた
亭主敬白

2011年11月29日火曜日

鴨な my house

始めました。
鴨。

鴨汁ざる
鴨南ばん

開店当初から鴨をメニューに、と思ってたんですが、オペレーションの煩雑さというか手順の多さから二の足を踏んでたのであります。
かくて開店以来2度目の冬到来。
やっぱりね。冬は鴨ですねえ。

んなわけであれこれの試行錯誤の上で先週月曜日から上記2品目をメニューに載せています。旨いです。好評です。鴨と葱はもうホントにベストコンビでありますね。なんてか、往年の吉永小百合と浜田光夫のように。いや、これはちと爽やかすぎて鴨ネギのこってり感とはそぐわないね。マリリン・モンローとトニー・カーチスの感じかなあ(『お熱いのがお好き』であります)。濃厚だなあ…

んでもって宴会シーズンを当て込んで鴨鍋も堂々の登場であります。自慢ぢゃあないけど、といいながらきっちり自慢するのですが、山科区内で鴨鍋食えるところはそうそうないよ。うん。
鴨鍋のシメはもちろん手打ちそば。鴨の旨味が溶けた出汁に浸けて食べていただきます。旨いす。要予約でお願いしております。

せっかくなので鴨鍋の一人鍋もつくりました。メニュー名は「ミニ鴨鍋」。一人で食べても身も心も暖まる。節電の冬を乗り切る体内温暖化メニューです。

んなわけでここんとこ、店主の脳内では江利チエミさんが歌っているのであります。
鴨なマイハウス マイハウス鴨~ アゴーナーギブヤーキャアンディ

おあとがよろしいようで

鴨汁ざる 1400円
鴨南ばん 1400円
鴨 鍋   3500円(前日までに予約)
ミニ鴨鍋  800円

んじゃまた
店主敬白

2011年10月20日木曜日

スコラ的?

何週間か前ですが、「午前10時の映画祭」のおかげで『薔薇の名前』をずいぶん久しぶりに観ることができたのです。この映画、大好きでねえ。
劇中、法王庁とフランシスコ会がディベートをする場面がある。なかなかに緊張をはらんだ場面でフランシスコ会の人が表情をこわばらせながら討論テーマを切り出すのね。いわく「イエス(キリスト)の着物はイエスの所有物であるか?」
暗い映画館の中で思わず失笑してしまいました。 しょーもな~。
 いやいや、全然しょーもないことなかったのですねえ。実はこれ、大変重いテーマだったようで、問題は教会が財産を保有することを認めるかどうか、つまり当時(13世紀北イタリアでのお話)の法王庁のあり方を巡るめっさシビアな対立点だったのです。ひとりアハハと笑った我が身の不明を思いっきり恥じております。スコラ的、というとなにやら重箱の隅つついて現実から遊離したしょもない議論みたいなイメージがありますけど、当事者はそれなりに現実と切り結んで真剣な議論をしておったんだろうなあ、と認識を改めておる次第であります。
んで、これから蕎麦の話になるのですが、
『そばもん』(山本おさむ、小学館ビッグコミック連載)のコミックスを店においているのです。これ読みながらウチの蕎麦食べるお客さんも結構いはるわけですが。この漫画、監修が江戸蕎麦の大家、藤村和夫氏で、伝統的な江戸蕎麦の立場から描かれている。いろいろと泣かせる話もあって好きな漫画なんですが、蕎麦打ちの技法に関する話になるとちと攻撃的な感じが読み取れます。
「水回し」(蕎麦粉に水分を行きわたらせる工程)の際、水は一度に入れてはならず粉の様子を観て段階的に逐次的に加える(加水する)べきである、ということが再三強調されている。これはつまり、水を一度に加える(一気加水)というやり方が一方にあって、それを否定しているわけなのでありますね。んで、何を隠そうワタクシが教わったのが 『そばもん』が否定している「一気加水」のやり方。一茶庵創業者、「蕎聖」友蕎子片倉康雄が創始した方法であります。
片倉康雄は大正期に脱サラ(というか、全く違う畑から転業)してそば屋始めた人で、後に手打ちそば教室を開いて手打ちそば技術の普及に不朽の功績を築いた人。漫画の中では「黒田周蔵」という名前の人物として挙げられています。もともとのそば屋出身ではないだけに老舗そば屋の藤村さんとしては色々思うところがあるんだろうなあ、と推察されるのですね。
さて、「一気加水か、段階加水か」。これなんか、はたから見たらホントにスコラ的論争に見えるかも知れんなあ、と思うのであります。

で、ワタクシ。習ったのは一気加水、しかし漫画や藤村氏の著作を見ると段階加水、対立する二つの情報の間でちょっと自信がなかったのですね。 まあ、一気加水でちゃんと繋がって蕎麦になってるし、何にも問題ないやン、と言われればそうなんですが、やっぱり「なぜこの方法でやるのか」が納得できてないと不安なのですよね。ということでamazonで購入しました『片倉康雄 手打ちそばの技術』。聖徳太子の肖像が一枚飛ぶ高価本ですが、めっぽう面白い。
う~んなるほど。よく解りました。そういう理論的根拠のもとに一気加水なのね。

そゆわけで、理論武装しちゃいました。なるほど肝は計量の方法なんだねえ。
学びて時にこれを習う、また楽しからずや。まあ、はた目にはスコラ的に見えるのでしょうけど。

んじゃまた
亭主敬白


2011年10月5日水曜日

新そばの季節

衣替えと時を同じくして、10月1日より本年の新そばに切り替わりました。
まあ、玄ソバの保管状況が良ければとりたてて新そばがどうこうと騒ぐ必要はないのでありましょうが、そんでもやはり、季節の移ろいをそば屋的に感じさせてくれる最大のイベントが新そばの打ち始め。
当店、何とか一年サバイバルしたなあ、と感慨深く打たせていただきました。
おそらくは人類史に残るであろう2011年という年、その年の新そばです。
3.11以後を振り返り胸ふたがれる思いにつつまれつつも、自然の恵みはしみじみと旨いです。
ぜひご賞味いただきたく。

んじゃまた
亭主敬白

p.s
ゴーヤの天ぷら始めました。
そば屋でゴーヤ? 理由は以下の通り。
1,山科旧三条の沖縄料理「海月」さんで飲んだこと(うまかったス!)
2,午前10時の映画祭で西部劇見たこと(「ゴーヤの用心棒」「ゴーヤの7人」)
3,亭主が沖縄出身(※)であること

 ※ 大うそです



2011年9月28日水曜日

くんさば

鯖の燻製であります。

しみじみ旨い一品です。
これがまあ、なんと蕎岳の自家製なんでありますね。ワタクシが手ずから作っておるのであります。
使う塩とか、濃度とか、つけ込み時間や乾燥の時間、燻煙時間、熟成時間等、一切企業秘密なのですが、燻材(燻すチップ)だけは教えてもいいかな。今は桜を使っています。個人的にはクルミのほうが好みなのですけどもね。
ともあれ、現時点で鯖の燻製が食べられる蕎麦屋って、京都の中でもかなり珍しいだろうなあ、と思っておるのです。少なくとも、ウチのお客さんで過去に鯖の燻製食べたことある人は皆無のようで、皆一様に「これはうまい」とおっしゃってくださるのであります。へっへっへ。うれしい。

他にも鮭やらウインナーソーセージやらチキンやらもスモークしてて、燻製盛り合わせも好評であります。都会のそば屋で味わうアウトドア気分、とか言ったら大げさですが。

☆くんさば 380円
☆燻製盛り合わせ 500円

そうこうしてる内、秋田から京都に遊びに来たという小父さんとひょんなことから知り合いになってまって。(いや、たまたま同じ飲み屋で飲んだくれた、という縁なわけですが…)
その小父さんが秋田名物「いぶりがっこ」を送ってきてくれたのですね。「いぶりがっこ」。知っている人の中では知らぬ者はないというくらい有名な漬物ですが、おおかたの人にとっては超マイナーな食材で話にのみ聞くといった程度であります。
要は沢庵なんですが、燻煙香のする漬物。雪深い秋田では大根を天日干しできないので囲炉裏の上に吊して乾燥させ(このとき燻されるわけですね)、それを漬け込んで沢庵をつくるんだそうな。沢庵の燻製というか、燻製大根でつくる沢庵ですかね。これが香ばしくて甘くて、やみつきになるほど美味い。ご飯のお供と言うより、明白に酒のアテ。うまいす。秋田おそるべし。がんばろう東北。
そゆわけで「いぶりがっこ」好評です。最近はこれを目当てにウチに来て、いぶりがっこつまみながらゆるゆる飲まれるお客さんもおられるくらいで。
どうスか?いぶりがっこで蕎麦前(お酒のこと)飲んで、シメにお蕎麦を手繰るなんてえのは?

☆いぶりがっこ 300円

んじゃまた 燻製屋蕎岳でした。
亭主敬白



2011年9月14日水曜日

キャラ化プロジェクト

店の認知度をたかめるために、例えば「がんこ寿司」とかディスカウントの「ジャパン」とかみたいに創業者の姿をキャラクター化してPRするのも手だなあ、と思ったのですね。
んで、知り合いの漫画家さんに、ワタクシの顔をイラストにするのをプロに頼めばいくらくらいかかるか聞いてみたのです。
「そらもうピンキリですよ」って。そらそうか。
「私の場合は10cm平方のカットで○○円くらい」。あ~そ~なんだあ。ワタクシ風情がプロに頼むなんて、無礼者ってかんじなのね。
「私で良かったらお手伝いしましょうか?」 え、マジっすか?すっげえ嬉しいス!御礼はお蕎麦しか出せませんが…

とゆ~ことで描いてくれはったのです。

え~!かっこよすぎるやん!うれし~!
しかしあまりにもリアルと乖離してるので写実バージョンも描いてくれてはりました。
ども。おっさんです。

そゆわけで今後、チラシとかに載っけて店主のキャラを売り込んで、もって山科区における蕎麦文化の発展に寄与したい、と。あはは

んじゃまた
亭主敬白

2011年9月7日水曜日

天ぷら As You Like

おかげさまで2年目突入です。
一週間にわたる1周年謝恩祭ではたくさんの方々に御来店頂き、祝福を頂戴いたしました。
思いがけず「お祝い」のお菓子まで頂いたりして、感謝しまくり。メタボを気にしつつ食べたお菓子ですが、美味かったっス。フィナンシェやらシュークリームやらって、けっこう、生ビールに合うのですねえ。ありがとうございます。美味しく頂きました。
初めてこられた方や久々の懐かしい顔にも会えて、それもうれしい一週間でした。
考えてみれば1年前、店を始める以前には何の縁もゆかりもなかった方々がこうして店においでになって、いろんなお話を聞かせてくださる。目の前で親しく笑顔を見せてくださる。舌鼓を打ってくださる。親父ギャグに笑い転げてくださる。感無量であります。なかなか蔵は建ちませんが、店やってよかった、とつくづく思うのであります。
とゆうわけで、当店を認知し期待してくれる方が存在してくださっているという認識を励みに2年目も頑張ろうと思う今日この頃であります。

さて天ぷらの新サービスを始めました。
「お好み天ぷら一貫揚げ」という適当な名前をつけてますけど、えと、要は、串カツと同じ方式とおもっていただければよろしいかと。
「なす」とか「海老」とか、バラで注文できるわけであります。
・「天ぷら盛合せ」や「天ざる」ではちと重たい、でも天ぷら食べたい(そばと天ぷらが絶妙の出会いもんであることにどちら様も御異論ございますまい?)
・酒のアテにちょっと天ぷらつまみたい
といったニーズにお応えいたします。小皿にお塩を添えてお出ししますので、二度付けでも三度付けでも勝手にしちゃってください。(血圧管理はご自身でお願いいたします)
当面のラインナップは以下の通り
カボチャ
なす
舞茸
大葉
海老
ちくわ
おくら
えのきだけ
気分によって、季節によって、メンバー交代や増員があるかと。
「あなたがつくる 世界にひとつだけの天盛り」ってえなコピー考えてみましたけど、どうスか?

皆さまの御来店、心よりお待ち申し上げております。

んじゃまた
 亭主敬白

2011年8月31日水曜日

丸一年たちました!

すごいですねえ…
一年もっちゃいましたよ…
ありがたいありがたい。言葉の本当の意味で、お客様のおかげです。ホントに深く感謝いたしております。
そんな気持ちを込めて9月1日(木)~6(火)の一週間、謝恩祭開催です。

☆ 生ビール半額! 250円!
☆ 生粉打ち(十割)ざる 通常980円を二八と同じ780円にてご提供
☆ 期間中もれなく蕎岳御飲食割引クーポンをプレゼント
☆ この画面のプリントアウト提示で10%OFF


この一年のサバイバルを、お客様と共に喜び合いたいと思います。

そうそう秋の新作そばも登場します。
秋はきのこ!!
きのこおろしそば(冷または温)950円始めます!

んじゃまた
 亭主敬白





2011年8月24日水曜日

もうすぐ1周年

あっ!

という間、というかんじです。
無我夢中で試行錯誤しながらの1年。
まだまだ安定経営とはいきませんが多くの皆さまに支えられてなんとか一年、生き延びて参りました。
本当にありがとうございます。

とゆーわけで、感謝を込めて1周年謝恩祭やります。
9月1日(木)~6(火)の一週間。
☆ 生ビール半額! 250円!
☆ 生粉打ち(十割)ざる 通常980円を二八と同じ780円にてご提供
☆ 期間中もれなく蕎岳御飲食割引クーポンをプレゼント

ご好評頂いている「カキフライっぽい天ぷら」や新メニュー「くんさば」も取りそろえてお待ちしています。

んじゃまた
亭主敬白


2011年8月3日水曜日

価格改定

8/4(木)から、全面的にメニューの価格を改訂し、値下げに踏み切ります。
円高ドル安とは全然関係がありませんが、より親しみやすくなった蕎岳のお蕎麦、今後ともよろしくお引き立ていただきますようよろしくお願いいたします。

価格例   旧   新
二八ざる  800   780
十割ざる  1000  980
蓮如そば  900   880
天ざる   1500  1480
義士そば 1700  1680

英勲辛口  500   480
天山戸隠  500   480

御来店お待ち申し上げております。
亭主敬白

お盆休みのお知らせ

誠に申し訳ないのですが、
下記の期間、遠隔地への墓参りのため休業させていただきます。

8月14日(日)~18日(木)

ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくご了承下さい。

 亭主敬白

A la vickry

根がゲテモン好きなのかもしれませんが、外へ食べに出て、ちょっと変わった料理があると思わず食べてみたくなるのでありますね。奇抜なネーミング、面白い素材、珍しい調理法、等々、好奇心をくすぐるものに出会うとわくわくします。なんてかね、奇面人を驚かすとか、そおゆうのん、大好きなんですね。もう、上手に驚かせてほしい、ドキドキさせてほしい、楽しませてほしい。
あ、ゲテモンっても、信州のザザムシとかフィリピンのバロットとかみたいなグロテスクなんはダメです。そおゆうハードなんは全然ペケです。いわばヘタレ系のゲテモン好きですなあ。
んで、自分で店やってて、大事なコンセプトは「俺が喰いたいもん、美味いと思ったもんを出す」というところにあるので、ま、そうゆう料理も出したいな、と思っているのですね。「なにそれ!」「面白そうやン」って思っていただけるようなメニュー。ある種、作る方も食べる方もわくわくして、いわば心理的な共犯関係にある、みたいなけったいな料理。
以前から「魚肉ソーセージ」だの「鯖の味噌煮の缶詰」だのといったメニューを「山屋の酒のアテ」として出してて、それはそれで「学生時代を思い出す」と懐かしんで食べてくださる方も(結構な数で!)おられるんですが、料理としてはイマイチひねりが足りない。あ、すんません、そもそも料理してませんでしたね、ソーセージ切ったり缶詰開けたりするだけですし。

んで、頑張って作りました。ア・ラ・カルトならぬ アラ・ビックリ 変な一品 2種。
その1 トマチーナの天ぷら
イタリア風の天ぷらです。ウソです。ホントは3種のネタの盛り合わせ。トマト、チーズ、納豆を蕎麦粉を使った衣で揚げています。納豆苦手な方が関西には多いので、注文されたら必ず納豆の可否を確認させてもらっています。蕎麦粉の天ぷらは食感が独特。うまいす。

その2 カキフライっぽい天ぷら
種々の材料からモックオイスターを作り、それをフライ状の天ぷらに仕上げました。
本物のカキはオイスターソースすら使ってないのですが、いるのですよ、ホントに、カキが。

而してモックオイスターとは何か。
ま、これがミソなのでここでは種明かしをしませんが、食べた方も多くは正解まで33%の地点までしかたどり着けないのですねえ。
これ結構、ビックリするほどうまいす。冷めても美味しいし。モックオイスター、通年で収穫可能やし。

どちらもビールに良く合います。

「料理は科学である」といいますが、時として「料理はイチビリである」と規定したほうが世界が拡がるかなあ、と思ったりして。

んじゃまた
亭主敬白

2011年7月27日水曜日

める割りのお知らせ

メール会員の募集を始めました。
会員の方には当店よりニューズメールをお届けしています。

新メニューの紹介
お得なサービスの情報
店主のブログの更新情報
その他気まぐれなニュース 等のお得な情報満載です。

 メール会員だけの特典サービス、メール会員にしかお知らせしない秘密のサービスもあります。
メール画面又はプリントアウトの提示でお安くなるのですが、例えば先日の台風6号関西直撃の夜は急遽「台風割」を実施。(ま、それでもお客さんメチャ少なかったスけど…)
現在は、天ざる1500円を「メール会員割引」(長いので以後「める割」 と呼びます)で1400円でご提供。(7月末日まで)
WEBにアクセスする必要もなく届く蕎岳お得情報。あなたの蕎麦ライフのお供にぜひ!
って程のもんぢゃないかもしれませんが。でもお得です。



登録は下記アドレス宛に、件名「メール希望」と書いて空メールを送ればOK。
今なら登録料、年会費無料です。(あ、いや、多分ずっと無料です)
※会員のアドレスは非公開とし、当店よりのメール配信以外には使用しません。

蕎岳アドレス
sobakyogaku@gmail.com

んじゃまた
亭主敬白

2011年7月21日木曜日

なにげに深い山科

義士蕎麦を考案し、いざ売り出す前にしかるべき筋にご挨拶しておくべきと考えて、山科にある赤穂義士ゆかりの所をまわったのです。

まずは大石神社。
西野山の麓、稲荷山トンネル入口のすぐ南。祭神は大石内蔵助良雄。直球ど真ん中の神社ですが創建は昭和10年と新しい。とはいえすでに70年を閲し些か神さびた雰囲気漂う立派な神社であります。
宮司さんにご挨拶申し上げ頂いた名刺を拝見して息をのむ。
宮司さんは進藤さんとおっしゃるんですね。すげー。
何がってね、内蔵助が山科に隠栖したのは、奥さん(大石りく)の姉婿の進藤源四郎が山科出身だったからなのですね。山科でもこのあたり(西野山、百々)は古くから郷士の進藤さんが大きな実力を持っていたというのは「史料 京都の歴史11 山科区」所収の古文書をみてもよくわかる。で、その末裔あるいは係累の方なんだと思うのですが(初対面でそんなことまで伺うのは憚られたもんで確認してませんが…)、まさに「進藤さん」。おおーマジすげー!

そいえばね、蓮如蕎麦つくって挨拶回りしたときも、西宗寺の住職さんが「海老名」さんと知って感動したのでした。蓮如上人が15世紀に山科本願寺を造る際、その土地を寄進したのが野村の郷士海老名五郎左衛門。上人に帰依し西宗寺を創建。その御子孫の方ですぜ。
さらに蓮如上人隠居所の南殿は光照寺さんになってますが、ここも音羽の郷士粟津氏が帰依して作ったお寺で、住職はやはり粟津さんなのですね。
500年連綿と続いて現在に至らせる、その強い意志と努力に感動しちゃったのですね。

大石神社の南に岩屋寺という観光コースにはまず乗らない小さなお寺さんがあるのですが、で、実は大石内蔵助、ここの境内内に住んでいたそうで、「大石閑居跡」の石碑がある。
山寺の雰囲気たっぷりの閑静なお寺で、元天台宗でしたが信長の比叡山焼き討ちのあおりで焼亡、江戸時代に禅宗の尼寺として再建され現在に至っているとのこと。内蔵助はこのお寺への尊崇篤かったらしく討ち入り前に同志48名(含む寺坂吉右衛門 )の位牌を預け菩提を弔ってもらっているのだとかで、本堂にはその位牌とか、本物の内蔵助の机、手文庫、金庫、槍が伝えられてて、こりゃあすごい!忠臣蔵って、史実だったんだ、と実感。
ちなみに岩屋寺さん、拝観料400円払って色々解説付きで拝見させていただきましたが、この解説がよかった。寺務の方なのかな、おばちゃんの話がめちゃ面白い。400円安かった。値打ちあります。

いやあ、深いわ、山科。

んじゃまた
亭主敬白


2011年7月6日水曜日

明日に向かって打て

今日は定休日だったのです。
朝イチで用事を済ませて原付で山科から浜大津。


浜大津の大津アレックスシネマで「午前10時の映画祭」。
今週は「明日に向かって撃て!」。
むか~し、テレビで見ましたが、やっぱスクリーンで見るのは良いです!
あのニューシネマな感じもなつかしいような切ないような。ポール・ニューマンもレッドフォードも若くて男前で、キャサリン・ロスは可愛いし。
いやあ、堪能しました。
また明日から頑張っておそば打ちます。


んじゃまた
 亭主敬白

2011年7月3日日曜日

夏限定 氷冷蕎麦

暑い日が続きます。
しかも節電の夏。
なんとかせねばなりません。
何とかしましょう!

そゆわけで作りました、氷冷(ひょうれい)蕎麦2種。

その1 氷冷とろろ 950円
氷の上に冷水で絞めた蕎麦、その上に粘度抜群の山芋とろろとわさび、刻み海苔。特製ぶっかけだしでいただきます。細打ちの麺にダシととろろが良く絡み、しかもチルド状態の蕎麦ですからこの冷たさと喉越しがたまらない!夏ならではの快感なのであります。

その2 氷冷おろし 900円
これも冷麺風に氷の上にお蕎麦が鎮座いたします。トッピングは蓮如蕎麦と同じく大根おろし、青ネギ、花鰹、揚げた蕎麦の実。特製ぶっかけだしでどうぞ。

キンキンに冷えすぎた蕎麦は蕎麦の香りや甘みが引っこんでしまうと言われているのですが、それでもこの時期、氷温の蕎麦が口の中、喉、食道を通過していくのは何物にも代え難い美味さでありますよ。

氷が溶けるとダシが薄まってしまうのではないか、と御懸念の向きもおありだと思うのですが、冷たすぎてあんまりそれは気になりません。むしら、ほどよく薄まるといった感じでしょうか。まあ、好みの問題もあるのですけどね。
なんせ、この冷たさが身上の氷冷蕎麦です。
エアコン設定温度28度を乗り切る体内冷却蕎麦。
今だけのこの味をぜひ御体感下さい。

んじゃまた
亭主敬白
 ※冷麺というと韓国冷麺を思い浮かべる人が今はおおいのですかね? ここで言っている「冷麺」は冷やし中華の別名のことです。てか、関西では一般的に「冷麺」という言い方をしますよね。で、基本、氷の上に中華麺がのってる。関東で言う「冷やし中華」は冷たい麺に冷たいスープをかけるだけで氷は入ってなかったと記憶しています。デフォルトでマヨネーズが入ってるかどうかも西と東の違いを分ける指標だったりもしますよね。あ、んで、何が言いたいかというと、氷冷蕎麦のモデルは関西風の冷麺なので氷が器の底にしいてあるのです。



2011年6月27日月曜日

AKO47

山科は、赤穂藩家老だった大石内蔵助が赤穂城明け渡しの後に隠栖した地。内蔵助が住んだ西野山には今、内蔵助を祀る大石神社があります。
その縁で毎年12月14日の赤穂四十七士の吉良家討ち入りの日には「義士祭」が行われ義士行列が山科の目抜き通りを練り歩くのであります。
さて、これに因んだ蕎麦を作れぬものか、とかねてより思案しておりました。
赤穂の塩を付けて食べる塩蕎麦なんてどうだろう?
なんか心ときめかないねえ… 
赤穂名物の牡蠣をトッピングした牡蠣蕎麦は?
牡蠣は冬場だけだなあ、通年メニューにしたいしなあ
それに見た目はどうなんだろうねえ
華やかさがほしいねえ
んじゃあ、やっぱ天麩羅のバージョンで考えるか…

というわけで構想半年。
ついに完成!「蕎岳の義士蕎麦」!

上天ざるであります。
天麩羅のネタは
1.海老 豪華三尾!
2.オクラ
3.海苔
4.桜麩
5.大葉
これに二八のざるそば(かけそばも可)がついてその名も「義士蕎麦」。
どの辺が「義士」なのかという点でありますが、基本的なコンセプトは「皿上の忠臣蔵」なのでありますね。
つまり
・赤穂→あこう→あかお→赤尾→海老ってしっぽが赤いやン!
・大石内蔵助が名を揚げる→おいしくらのすけ→オクラの天麩羅
・吉良上野介義央の領地の吉良→海苔が名産
海苔の天麩羅の上に海老天がわんさとのり、その上にオクラが鎮座する。このあたりはまさに吉良邸討ち入りの場の皿上での再現なのでありますね。
・忠臣蔵で桜といえば四段目判官切腹の場。桜麩は塩冶判官(浅野内匠頭)という見立てであります。
・で、まあ、なんだかんだ言っても徳川幕藩体制でのお話でありますからアオイの御紋ぽい大葉も添えている。
という御趣向なのです。
さらに言うと、この場合お蕎麦は二八がやはりふさわしい。九九では「四七=二八」っすから。

ええ。親父ギャグですが?なにか?

いやあ、なかなかに豪華な天ざるであります。
蓮如蕎麦とならんで山科の名物に育てたい、と不遜にも考えておる次第であります。

んじゃまた
亭主敬白

2011年5月18日水曜日

たいらばやしか、ひらりんか

メニューを、というかメニューブックを換えまして。
開店当初のはビール会社が作ってくれたやつでA3二つ折りラミネートで、さすがにレイアウトや配色もプロっぽくてみごとなもの。
とはいえ、ウチも開店8ヶ月。いろいろ料理が増えたり消えたりして実体に合わなくなってくる。増えた料理は店内にPOP貼ったり、別紙で対応。
消えた料理は…、メニューブックに白ビニールテープを貼って隠す。これがじじむさいのね。
またビール会社に依頼して作り直せばすればいいんだろうけど、すぐに変更できないのって、先々考えてもじゃまくさいなあ。

で、ファイルブック形式にして、プリンタ出力したのをクリアファイルで綴じ込む形にしました。これならメニューの変更もすぐにできる。

で、これを機に、料理の名称変更をしたのであります。

「せいろ」 → 「ざる」

「せいろ」という関西では耳慣れない呼称がもたらす異化作用で差別化をはかる、みたいな意図を持ってたんですがね、いちいち説明するのんがじゃまくさい。「せいろ」と聞いて「蒸籠」をイメージして「温蕎麦」と思うお客さんもいる。

料理名とは何か?
ある実体を表す記号である。
従って誤解可能性の少ない方がより機能的である。
んじゃあ、もういいや!「ざる」で! (笑)

もっともね、ウチの冷たい蕎麦は「ざる」に盛ってお出しするわけではない。
といって「蒸籠」でもない。
美濃焼の平皿に竹簀をおいてその上に堆く盛っている。ターヘルアナトミア風に言うとフルヘッヘンドさせてるんですが、これは実は槍ヶ岳をイメージしてるのでありますね。
ま、槍ヶ岳の形状の話はともかく 、これは正確には「盛りそば」というべきなのでありましょう。しかし、「もりそば」ってのも関西ではあんまり即時的了解可能性を期待できる用語ではないのでありますね。「もり」と「かけ」の違いだってあんまり日常的な知識ぢゃあないよ。
それに、どうも「もりそば」の「M」音が涼しげじゃあない。「もさい」「もっちゃり」「むしあつい」、それに「むら」「無駄」「無理」のダラリにも共通した「M」!
それに引き替え「S」や「Z」の涼しげなこと。なんといっても「涼しい」=「SuZuSiI」ですからね。「せいろ」とか「ざる」ってのは、すっきり、ざっくり、夏の涼味感たっぷりなわけであります。
そういえば「かけ」ってのも音的にはスパッとしててそんなに暖かい感じがしないのでありますね。「かけ」と聞いてその実体がすぐにイメージできる人はともかく、そうでない人にとっては必ずしも湯気の浮かぶ蕎麦は思い浮かばない。そのへんが「かけ」と「もり」の混同しやすさに繋がっているのではないかと。

と、まあ、個人の恣意的な解釈もかなり含めた思量の結果、ウチの「せいろ」は消えました。
「ざる」です。
亭主の酒量や短期記憶の悪さの話ではありません。誤解なきよう。

んじゃまた
亭主敬白


※ エントリタイトルは落語の「平林」からです。為念。

激闘!出張蕎麦

お知らせしておきましたように5月7日は西御坊さんへ出張。
本願寺山科別院の仏教婦人会さんの「さつきの集い」というイベントで、当店オリジナルの「蓮如蕎麦」を出してほしいとのご要望だったのでした。
店の外、大きな茹で釜がない、材料や物品の移動をどうしよう、等々と様々な不安要因が脳裏をよぎりつつも、本願寺さんに蓮如さんの名前を冠した蕎麦をご注文いただくのですからまさに本望。ということでお引き受け出せていただいたわけなのであります。
参加は20~30名位だろうとのこと。そんだけの数を一気に作るなんてもちろん未知の領域であります。

事前の下見や何回かの打合せでイメージが何とかまとまり、人手も必要物品もメドがつく。5月の連休に入り、最終的な数が決まったとのことで伺うと、45名!とのこと。あらびっくり。
蓮如蕎麦の材料は、蕎麦、大根おろし、鰹削り節、九条ネギ、揚げ蕎麦の実、ぶっかけだし。これにプラスして、かやくご飯とおばんざい。45名分かあ…。だいじょぶかなあ…。

大根おろしは当日お手伝いいただく婦人会の方にフードプロセッサーを持ってきていただくことになりまずは一安心。店では手でおろしていますが流石にこんだけの量をいちどきになるとねえ。
前夜は宴会が入り、その終了後、かやくご飯を2升ほどお釜にセットして、後はひたすらネギ切り、ネギきり。これまでの人生で切ったネギの総量をおそらくは凌駕するであろう分量を切る切る切る。厨房全体ネギの臭いが充満したのでありました。結果的にそんなにいらんかったんですけどね。何せ初めてのことスから。
当日早朝から大晦日以来のそば打ち祭り。1.5kgの玉を三つ。常がせいぜい2つくらいしか打ってないから青息吐息で時間との勝負。繁盛店のそば打ちって毎日こんな感じなんやろうなあ。すごいなあ。

友人やパートさんに加え、居酒屋営業に関しての師匠も手伝いに来てくれ、12時の開始を待つ。現地は西御坊さんの研修会館。それなりの広さの調理スペースがありガスの熱源は3つ。窓から見える裏庭にはツツジが見事であります。
大鍋二つに湯を沸かし、片方は蕎麦茹で用、もう一方は熱湯供給用。鍋の湯温を下げないようすぐに熱湯を茹で鍋に供給するための工夫ですが、果たしてうまいこといくかいな。家庭用のガスコンロぢゃあいかんせん火力が弱すぎる~。

午前中の行事が終わりさて、戦闘開始。
なんか、無我夢中でよく覚えてないなあ。怒濤の勢いってやつですよね。仏教婦人会の役員の皆様にもめちゃめちゃ助けていただいて。終わってみれば「あっ」ちゅう間。

お蕎麦はさいわい、細さが感動的、とかの評価を頂いたみたいで、うれしいかぎりであります。

いいや、なによりかによりね、自分の作った蕎麦が社会的に認知されている、見てくれている人がいる、というのがうれしかったす。
それに、客観的には50人足らずの蕎麦ですからたいしたことないんでしょうけど、経験値と営業規模の極めて小さい蕎麦屋にとっては一大プロジェクトだったわけで、なんとか無事務めることが出来た、ってのもめっさ達成感なのでありますね。
店の外での出張蕎麦。
機材が足らない、勝手が分からない等々、アウェーとしての不利な要素は多々あるわけですが、多くのサポーターの皆さんに助けられさえすれば、なんとかなるんだなあ。皆さんありがとうございました。

いやあ、ホントに良い経験をさせていただいたと思います。ちょっとだけですが自信もつきました。

大震災が起こり、大人災がいっこうに収まらない中、祈りとか信仰とか宗教とかの持つ意味や力を思う日々、蕎麦を媒介にしてこんな体験ができたことを意義深いものと考えています。

んじゃまた
亭主敬白

2011年4月21日木曜日

臨時休業のお知らせ

定休の水曜日と第3木曜日(5/19)以外に

5月7日(土)昼の営業をお休みさせていただきます。
※ 17:00からの夜営業は通常通り行います。

この日は西御坊さん(本願寺山科別院)への出張営業を行いますので申し訳ありませんが昼を臨時休業とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

亭主敬白

2011年4月13日水曜日

花桃

当店の近くを流れる音羽川にかかっている新東野橋のたもとに、この界隈では有名な花桃の木があるのです。ごらんのように一本の木に紅白の花が咲き実にあでやかなのでありますね。
折しも桜も満開で。
春たけなわであります。
ぽかぽか陽気も続き、冷たいお蕎麦がよく出るようになりました。

んじゃまた
亭主敬白


2011年4月8日金曜日

朝の連ドラ

「ちりとてちん」が終わってから朝の連続テレビ小説にはとんと縁がなかったのでありますが、こんどのは安曇野が舞台で主人公は蕎麦屋を営んでいる由。
しかも主役(の老後の役)は若尾文子さん!!!
お母さんが原田知世ちゃん!!!
(ん~と、井上真央という女の子はよく知らないので思い入れは今のとこありません。)
中年の蕎麦屋の親父としては、これはもう見るしかないです!

んで録画して見てるんですが…

いろいろ引っかかっちゃって入り込みにくいんですわ。
たとえば
主人公の友達は小学校4年の秋に退学して奉公に出される訳ですが、戦前とはいえ義務教育中の子どもが小学校を退学させられるということがあり得たのかどうか。(尋常小学校の修業年限は6年間)
これが気になってしまって主役とその友達に感情移入するに至れない。

お母さん役の知世ちゃんは今週病没するらしいのですが、その病気は劇中の描写をみるかぎり「結核」。抗生物質以前は確かに不治の病でしたからそれはいいのですが、お母さんゴホンゴホン咳してる隣で小学生の娘が看病してたり、何の感染予防策もなしに入院せず自宅療養してたり…。結核菌の発見は1882年ですが、昭和初年の日本人が結核感染経路を知らないなんてことがあるだろうか、と思うよりなにより、お母さんが結核菌をまき散らしてるのが気になって気になって。

つらいことに耐えてあかるくたくましく生きてく、ってのがテーマでしょうから、んなことは枝葉末節でしかないのでしょうが、しかし、「神は細部に宿る」というのはホントだと思うのですよ。小さいところをおろそかにすると、それが気になって没入できない、感情移入できない、翫味できない、感動できないというのは確かにあると思うのであります。
蕎麦屋の料理でも同じ事はあるだろうなあと思うとちょっとドキドキしてしまいますが。

ん~、まあ、知世ちゃんだし、相変わらず可愛いので許してしまうわけですけどね。

おひさま。はやく蕎麦屋の話にならんかなあ。

んじゃまた

 亭主敬白

あ、そういえば「ゲゲゲ」も見てたっけ。

2011年3月31日木曜日

超絶美味の天ぷらネタ

こんな時に不謹慎かも知れませんが…
とはいえ、震災や原発の直接の被害をうけていない西日本は元気に生産活動と消費に取り組んで日本の復興を牽引するべきだと思うのであります。

以前にも書きましたけど、いろんな食材を天ぷらにして遊んでいるのでありますね。この時期ですからタラの芽、ふきのとうやらの山菜とか。出入りの業者が提案してくれた生麩とか。

で、ふとした拍子に出会ったのですね、天ぷらにすると超絶美味な食材に。
さくっと揚がった衣でコーティングされた中に旨味がぎゅっと濃縮されて、同時に、火を通して温められたタンパク質がよりいっそうの旨味と食感を増して、いやもう何とも美味美味美味。試食したスタッフ達も異口同音にうまいを連発。いやあ、なんでこんなうまいもんが天ぷらネタとして人口に膾炙しなかったのか、マジ疑問なのであります。
しかも特に高級食材というわけでなく、この時期どこのスーパーでも手軽に入手できる至って大衆的なネタ。
問題があるとすれば、あんまり美味いので洗面器一杯、いや、たらい一杯食べたくなってしまうことですかねえ。それほど美味しいのであります。
こんな美味いもん、メニューに載せなくてどーする?これで儲けたろうやないかい!ということで早速販売しています。
一口食べれば陶然となること請け合いの天ぷら、ぜひたくさんの方に食べていただきたいと切にこいねがう次第であります。

で、その食材とは一体何なのか?
意地の悪いことに内緒にしてしまうのでありますね。真実を知りたくば自ら足を運んでいただきたく。あしからず。でもね、喰えば絶対納得しはりまっしぇ、「超絶美味」という形容の正当性を。
そゆわけで、多くの皆様の御来店をお待ち申しているのです。

んじゃまた
亭主敬白

2011年3月17日木曜日

東日本大震災 お見舞い申し上げます

言葉がありません。

犠牲者の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。
事態が早期に収拾され被災者の皆様に平穏な日々が戻ることを祈っております。
救援・復興・原発事故対処に当たっておられる皆様の御献身に敬意を表します。

当店店内にも募金箱を設けておりますが、多くの方が義援金にご協力されますことを一蕎麦屋としてもお訴えしたいと思います。

亭主敬白

2011年3月2日水曜日

バージョンアップ

明日をも知れぬその日暮らしの毎日の繰り返しなのですが、月日のたつのは早いもの、定休日の本日は開店からちょうど半年。いやあ、どっこい生きてるサバイバル。支えて下さるお客様に感謝感謝であります。
この間、小さな改良を積み重ね、少しずつまともな蕎麦屋に近づいていくプロセスを踏んでいるわけであります。不揃いな蕎麦達が細く揃うようになったり、茹で時間や水切り回数を改善したり、蕎麦湯がこくなったり、天ぷらの衣が進化したり等々。
そうそう、メニューもだいぶ増えました。冷たい蕎麦オンリーから温かい蕎麦もお目見えし、かやくご飯のセットメニューも登場。辛味大根もメンバー登録いたしました。
こないだうちからはコーヒーも出すようになりました。(手打ち蕎麦屋のコーヒー、是か非か、という議論はあるでしょうが、個人的に食後のコーヒーは是非!と考えておりますもので)

さて、半年を機にしたバージョンアップですが…
天ぷらのさらなる進化を期したい、と。
その1
天つゆ、つけます。
確かにねえ、抹茶塩だけではねえ、ちとつらいかも。自慢ぢゃあありませんが、いやもちろん自慢ですが、他店に比べるとウチの天ぷら、品数多いし、海老も大きめノンが2尾デンと載ってて、従って量が多い。なおかつこの間の改良進化でサクサク衣を身にまとうわけでありますから更にボリュームがアップしているのであります。これを抹茶塩だけで食べるのは確かにねえ。
かといって蕎麦つゆは天つゆ代わりにするには辛すぎるし…。
と言うことで満を持して天つゆの登場であります。オペレーション上、工程が増えるのが難点ですが、まあ、しゃあないね。美味しいものたべてもらいたいし。

その2
揚げ油を換えます。新米蕎麦屋には分不相応な感じもしますが、高価なコメ油。あんまり馴染みがないですが、油の香り、揚げ揚がりの軽さは大豆に比べると格段に差があるのでありますね。文句なしにうまい。うまいから多少のコスト上昇は覚悟しても使う。文句あっか、って感じですわ。
ん~と、天ぷらの価格はそのままだから、あらら、また儲けが減るやないの。ま、これもしゃあない。昔から計算は苦手なほうですから。

というわけで3月からのバージョンアップ、「蕎岳2.0」のお目見えは明日から。乞うご期待。

んじゃまた
 亭主敬白


2011年2月16日水曜日

改良型サク発進!

さて、天ぷらのお話。

師匠から案外早く「合格」を頂いたので、矢も楯もたまらず早速、改良型天ぷらを提供しているのです。

自画自賛ながら、美味しいのであります。そして見た目も豪華なんでありますね。
以前に比べるとすごい変化です。たとえていうなら三葉虫が一気に霊長類にまで進化しような一大変化を遂げたのであります。で、主観的な評価だけでなく、天ぷら注文しはったお客さんからもご好評を頂いていて、「さくさくで旨かった」と、まさにこれが欲しかったという評価を異口同音に。へへっ、へへっ。めっさうれしい。

てえなわけで天ぷらにはちょと自信がついた感じ。でこうなると天ぷら揚げるノンが楽しくなってくる。なんといってもほぼ確実にサクっと美味しく揚がるから失敗して落ち込むことがない。仮に上手くいかなくても原因が究明できて改良する手だてがわかる。原理原則がはっきりしているから工夫をする方向性が見えてあれこれ試しやすい。
で、いろんな材料の天ぷらを少しずつ試しているところなのであります。
ししゃも、さきいか、かまぼこ、チーズ、するめいか…、あ、酒のアテばっかりやなあ。

雪のちらつくこの数日、山菜と春野菜の天ぷらに挑戦。ふきのとう、タラの芽、菜の花、グリーンアスパラ、そしてブロッコリー(春野菜?)。感動的にうまいもんですなあ、「春」を天ぷらにするというのは。店の外は大雪でしたが。

もう、なんだかね、森羅万象あらゆるものを天ぷらにしたれ、という気になっているのでありますよ。 えへっえへっ。

んじゃまた
亭主敬白


2011年2月2日水曜日

マスメディアのチカラ

京都府下で最も購読数の多いのはなんといっても京都新聞であります。

先日、1月27日の木曜日でありますが、当店に関する記事が掲載されたのであります。「手打ち蕎麦のうまい店」とかいうんぢゃなくてね、山科の歴史に因んだ「蓮如蕎麦」を考案した蕎麦屋の店主に関する人物紹介の記事なんでありますが。
「そば打ち職人」などという肩書きで私の名前と実年齢が書いてある。いや、もう穴があったら入りたい。わずか半年前はまるっきりの素人だった人間をつかまえて「職人」だなんて…。自らの名誉のために言っておきますが、私、自分で「そば打ち職人」と名乗ったわけではない。名刺には店名に付け加えて「店主」と入れておりますが、ナンボ面の皮が7,8cmある私といえど「職人」と名乗るほどの度胸はない。まあ、でも記事的には「職人」のほうが手仕事って感じがしてよかったんだろうと想像はつきますが。しかし実体としてはまだまだかけだしでありますし、未熟であることは重々自覚しておるのですよ。

と、まあ、店主の紹介という点では現実と乖離した部分もあるのですが、記者さん上手に記事にしてくれてはって、我ながら「お~、かっこええやんけ」。そば切ってるところの写真も載っけてくれてて、惜しむらくは当日すっぴんで、何の化粧もヘアメイクもしてなかったこと。

で、えらいもんですねえ。記事は人物紹介で店の宣伝ではないので、店名と住所の一部(「山科区音羽野田町」までしか書いてない)はあっても電話番号もなんもなし、なのに、新聞見て来て下さった方が続々と。寒い中、町内をあちこち歩き回ってたどり着かれた方も。
ううむ。京都新聞おそるべし。
時ならぬ好景気に久しぶりに忙しい日々を過ごしています。ありがたやありがたや。
まあ、いつまでも続くわけでもないでしょうけど、この機会に来てくれたお客さんの何割かでもリピーター化してくれれば、という思いをもって一杯一杯気張って作っておるわけでありますが。

早いもので開店から丸五ヶ月。商売はおもろいけどしんどいなあ、でもやっぱおもろいなあ、ということを感じている今日この頃であります。
今月乗り切ったらついに開店半年。とりあえず細く長く、飽きずに続けていきたいと思います。

あ、件の記事はもちろんラミネートして店内に保存してあります。お蕎麦を食べていただいたお客さんからは拝観料は頂いておりませんので、ぜひ当店のおそば、ご賞味いただきたく。

んじゃまた。
亭主敬白

2011年1月19日水曜日

辛み大根おろしそば

大雪でぼろぼろの大晦日を生き延び、正月は5日から営業開始してたんですが、いやあ、あっちゅう間に早1月も下旬なんですねえ。光陰矢の如し。中年老い易く学成り難し、ブログの更新軽んずべからず。って結果的になかなか更新できていないのですが。

さて、かねてより辛み大根を扱いたいと考えておりました。
私が神と崇める方のお店にはそれはもう鮮烈に辛い「おろしそば」があって、これが実に辛いのですね。しかして辛さの奥にほのかな甘さがキチンと控えていて、でやっぱり劇的に辛くて、それはそれは美味しいのです。確実に中毒になる辛さなのです。あ、やばい。書いてるうちに唾湧いてきた。う~、辛み大根おろし蕎麦くいてえ~。
辛み大根のおろしそば、いつかは我が店でと思ってあれこれ調べていたのです。
京都で辛み大根といえば鷹峯大根が有名であります。でもね、栽培農家が少なく、必然的に流通量が少なくて、私には仕入れルートが見つけられなかったのですね。まあ、しゃあない、どうしても鷹峯大根でなければというかたは老舗のお蕎麦やさんに行っていただきましょう。
で、我が蕎麦神から紹介いただいた農家さんから待望の辛み大根、仕入れることに致しました。味はよくわかっているのですよ、何せよく行った店で結構な頻度で食べたメニューで使ってる辛み大根なんですし。辛いなあ、うまいなあ、やみつきになるなあ、と言いながら喰ったやつですわ。
産地は兵庫県たつの市。お醤油で有名な町ですね。ここの農家さんから直送していただきました。さすがにスーパーの青首大根に比べたらはるかに高価であります。
クール便で着いた段ボール箱を勇んで開けるとカブラみたいなずんぐり寸足らずの大根が紅白2種類で収まっておりました。早速試食。小さめなのを一個取り出し皮をむいておろし金でシャカシャカ、二八そばを一人前湯がいて洗い冷水できりっとしめてざるそばに仕立て、蕎麦の上におろした大根をのせる。蕎麦を大根と一緒につゆにつけズズっとすする。辛い!うまい!
蕎麦屋始めて、毎日手打ち蕎麦が喰えることの喜びを感じているのでありますが、この辛み大根おろしそばがその気になれば毎日喰えるのかと思うと、もうしみじみと我が身の幸せを噛みしめております。いや、自分で喰っとったら商売になりませんね、もちろんメニューに入れて提供するのです。

辛み大根おろしそば 900円
冷たいおそばに辛み大根おろしをのせて、特製ぶっかけつゆをかけて食べていただきます。舌触りが残り、またその臭いが辛み大根おろしの香気を損なうようなので、あえてネギはつけません。禅寺(例えば永平寺とか)をおもわせるようなシンプルかつ真っ直ぐ芯の通ったような味わいが身上かと。

で、うれしいことにこの辛み大根、通年で栽培しておられるそうな。うふうふ、真夏でも食べられるのでありますね。去年みたいな猛暑の中で、この辛さを味わったらそれはそれはうまかろうと思います。こんな食材扱えるなんて、もう誠に誠に幸せなのであります。うむうむ、蕎麦屋は楽しい。これで儲かってたら何にも言うことはないのでありますが。

んじゃまた
亭主敬白

2011年1月1日土曜日

謹賀新年

あけましておめでとうございます。
旧年中は多くの方々のお世話になりなんとか開店にこぎ着け、また開店以降もやはりたくさんの皆様のご支援によって何とか営業を継続することができました。
深く感謝しているところです。

新年と共に蕎岳は開業5ヶ月目を迎えました。
まだまだ未熟ではありますが今後とも心を込めて蕎麦打ち・店作りに精進したいと存じます。
皆様のご愛顧・ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

今年が皆様にとって良い年でありますよう心より祈念いたします。

2011年 元旦
亭主敬白