2011年6月27日月曜日

AKO47

山科は、赤穂藩家老だった大石内蔵助が赤穂城明け渡しの後に隠栖した地。内蔵助が住んだ西野山には今、内蔵助を祀る大石神社があります。
その縁で毎年12月14日の赤穂四十七士の吉良家討ち入りの日には「義士祭」が行われ義士行列が山科の目抜き通りを練り歩くのであります。
さて、これに因んだ蕎麦を作れぬものか、とかねてより思案しておりました。
赤穂の塩を付けて食べる塩蕎麦なんてどうだろう?
なんか心ときめかないねえ… 
赤穂名物の牡蠣をトッピングした牡蠣蕎麦は?
牡蠣は冬場だけだなあ、通年メニューにしたいしなあ
それに見た目はどうなんだろうねえ
華やかさがほしいねえ
んじゃあ、やっぱ天麩羅のバージョンで考えるか…

というわけで構想半年。
ついに完成!「蕎岳の義士蕎麦」!

上天ざるであります。
天麩羅のネタは
1.海老 豪華三尾!
2.オクラ
3.海苔
4.桜麩
5.大葉
これに二八のざるそば(かけそばも可)がついてその名も「義士蕎麦」。
どの辺が「義士」なのかという点でありますが、基本的なコンセプトは「皿上の忠臣蔵」なのでありますね。
つまり
・赤穂→あこう→あかお→赤尾→海老ってしっぽが赤いやン!
・大石内蔵助が名を揚げる→おいしくらのすけ→オクラの天麩羅
・吉良上野介義央の領地の吉良→海苔が名産
海苔の天麩羅の上に海老天がわんさとのり、その上にオクラが鎮座する。このあたりはまさに吉良邸討ち入りの場の皿上での再現なのでありますね。
・忠臣蔵で桜といえば四段目判官切腹の場。桜麩は塩冶判官(浅野内匠頭)という見立てであります。
・で、まあ、なんだかんだ言っても徳川幕藩体制でのお話でありますからアオイの御紋ぽい大葉も添えている。
という御趣向なのです。
さらに言うと、この場合お蕎麦は二八がやはりふさわしい。九九では「四七=二八」っすから。

ええ。親父ギャグですが?なにか?

いやあ、なかなかに豪華な天ざるであります。
蓮如蕎麦とならんで山科の名物に育てたい、と不遜にも考えておる次第であります。

んじゃまた
亭主敬白

2011年5月18日水曜日

たいらばやしか、ひらりんか

メニューを、というかメニューブックを換えまして。
開店当初のはビール会社が作ってくれたやつでA3二つ折りラミネートで、さすがにレイアウトや配色もプロっぽくてみごとなもの。
とはいえ、ウチも開店8ヶ月。いろいろ料理が増えたり消えたりして実体に合わなくなってくる。増えた料理は店内にPOP貼ったり、別紙で対応。
消えた料理は…、メニューブックに白ビニールテープを貼って隠す。これがじじむさいのね。
またビール会社に依頼して作り直せばすればいいんだろうけど、すぐに変更できないのって、先々考えてもじゃまくさいなあ。

で、ファイルブック形式にして、プリンタ出力したのをクリアファイルで綴じ込む形にしました。これならメニューの変更もすぐにできる。

で、これを機に、料理の名称変更をしたのであります。

「せいろ」 → 「ざる」

「せいろ」という関西では耳慣れない呼称がもたらす異化作用で差別化をはかる、みたいな意図を持ってたんですがね、いちいち説明するのんがじゃまくさい。「せいろ」と聞いて「蒸籠」をイメージして「温蕎麦」と思うお客さんもいる。

料理名とは何か?
ある実体を表す記号である。
従って誤解可能性の少ない方がより機能的である。
んじゃあ、もういいや!「ざる」で! (笑)

もっともね、ウチの冷たい蕎麦は「ざる」に盛ってお出しするわけではない。
といって「蒸籠」でもない。
美濃焼の平皿に竹簀をおいてその上に堆く盛っている。ターヘルアナトミア風に言うとフルヘッヘンドさせてるんですが、これは実は槍ヶ岳をイメージしてるのでありますね。
ま、槍ヶ岳の形状の話はともかく 、これは正確には「盛りそば」というべきなのでありましょう。しかし、「もりそば」ってのも関西ではあんまり即時的了解可能性を期待できる用語ではないのでありますね。「もり」と「かけ」の違いだってあんまり日常的な知識ぢゃあないよ。
それに、どうも「もりそば」の「M」音が涼しげじゃあない。「もさい」「もっちゃり」「むしあつい」、それに「むら」「無駄」「無理」のダラリにも共通した「M」!
それに引き替え「S」や「Z」の涼しげなこと。なんといっても「涼しい」=「SuZuSiI」ですからね。「せいろ」とか「ざる」ってのは、すっきり、ざっくり、夏の涼味感たっぷりなわけであります。
そういえば「かけ」ってのも音的にはスパッとしててそんなに暖かい感じがしないのでありますね。「かけ」と聞いてその実体がすぐにイメージできる人はともかく、そうでない人にとっては必ずしも湯気の浮かぶ蕎麦は思い浮かばない。そのへんが「かけ」と「もり」の混同しやすさに繋がっているのではないかと。

と、まあ、個人の恣意的な解釈もかなり含めた思量の結果、ウチの「せいろ」は消えました。
「ざる」です。
亭主の酒量や短期記憶の悪さの話ではありません。誤解なきよう。

んじゃまた
亭主敬白


※ エントリタイトルは落語の「平林」からです。為念。

激闘!出張蕎麦

お知らせしておきましたように5月7日は西御坊さんへ出張。
本願寺山科別院の仏教婦人会さんの「さつきの集い」というイベントで、当店オリジナルの「蓮如蕎麦」を出してほしいとのご要望だったのでした。
店の外、大きな茹で釜がない、材料や物品の移動をどうしよう、等々と様々な不安要因が脳裏をよぎりつつも、本願寺さんに蓮如さんの名前を冠した蕎麦をご注文いただくのですからまさに本望。ということでお引き受け出せていただいたわけなのであります。
参加は20~30名位だろうとのこと。そんだけの数を一気に作るなんてもちろん未知の領域であります。

事前の下見や何回かの打合せでイメージが何とかまとまり、人手も必要物品もメドがつく。5月の連休に入り、最終的な数が決まったとのことで伺うと、45名!とのこと。あらびっくり。
蓮如蕎麦の材料は、蕎麦、大根おろし、鰹削り節、九条ネギ、揚げ蕎麦の実、ぶっかけだし。これにプラスして、かやくご飯とおばんざい。45名分かあ…。だいじょぶかなあ…。

大根おろしは当日お手伝いいただく婦人会の方にフードプロセッサーを持ってきていただくことになりまずは一安心。店では手でおろしていますが流石にこんだけの量をいちどきになるとねえ。
前夜は宴会が入り、その終了後、かやくご飯を2升ほどお釜にセットして、後はひたすらネギ切り、ネギきり。これまでの人生で切ったネギの総量をおそらくは凌駕するであろう分量を切る切る切る。厨房全体ネギの臭いが充満したのでありました。結果的にそんなにいらんかったんですけどね。何せ初めてのことスから。
当日早朝から大晦日以来のそば打ち祭り。1.5kgの玉を三つ。常がせいぜい2つくらいしか打ってないから青息吐息で時間との勝負。繁盛店のそば打ちって毎日こんな感じなんやろうなあ。すごいなあ。

友人やパートさんに加え、居酒屋営業に関しての師匠も手伝いに来てくれ、12時の開始を待つ。現地は西御坊さんの研修会館。それなりの広さの調理スペースがありガスの熱源は3つ。窓から見える裏庭にはツツジが見事であります。
大鍋二つに湯を沸かし、片方は蕎麦茹で用、もう一方は熱湯供給用。鍋の湯温を下げないようすぐに熱湯を茹で鍋に供給するための工夫ですが、果たしてうまいこといくかいな。家庭用のガスコンロぢゃあいかんせん火力が弱すぎる~。

午前中の行事が終わりさて、戦闘開始。
なんか、無我夢中でよく覚えてないなあ。怒濤の勢いってやつですよね。仏教婦人会の役員の皆様にもめちゃめちゃ助けていただいて。終わってみれば「あっ」ちゅう間。

お蕎麦はさいわい、細さが感動的、とかの評価を頂いたみたいで、うれしいかぎりであります。

いいや、なによりかによりね、自分の作った蕎麦が社会的に認知されている、見てくれている人がいる、というのがうれしかったす。
それに、客観的には50人足らずの蕎麦ですからたいしたことないんでしょうけど、経験値と営業規模の極めて小さい蕎麦屋にとっては一大プロジェクトだったわけで、なんとか無事務めることが出来た、ってのもめっさ達成感なのでありますね。
店の外での出張蕎麦。
機材が足らない、勝手が分からない等々、アウェーとしての不利な要素は多々あるわけですが、多くのサポーターの皆さんに助けられさえすれば、なんとかなるんだなあ。皆さんありがとうございました。

いやあ、ホントに良い経験をさせていただいたと思います。ちょっとだけですが自信もつきました。

大震災が起こり、大人災がいっこうに収まらない中、祈りとか信仰とか宗教とかの持つ意味や力を思う日々、蕎麦を媒介にしてこんな体験ができたことを意義深いものと考えています。

んじゃまた
亭主敬白

2011年4月21日木曜日

臨時休業のお知らせ

定休の水曜日と第3木曜日(5/19)以外に

5月7日(土)昼の営業をお休みさせていただきます。
※ 17:00からの夜営業は通常通り行います。

この日は西御坊さん(本願寺山科別院)への出張営業を行いますので申し訳ありませんが昼を臨時休業とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

亭主敬白

2011年4月13日水曜日

花桃

当店の近くを流れる音羽川にかかっている新東野橋のたもとに、この界隈では有名な花桃の木があるのです。ごらんのように一本の木に紅白の花が咲き実にあでやかなのでありますね。
折しも桜も満開で。
春たけなわであります。
ぽかぽか陽気も続き、冷たいお蕎麦がよく出るようになりました。

んじゃまた
亭主敬白


2011年4月8日金曜日

朝の連ドラ

「ちりとてちん」が終わってから朝の連続テレビ小説にはとんと縁がなかったのでありますが、こんどのは安曇野が舞台で主人公は蕎麦屋を営んでいる由。
しかも主役(の老後の役)は若尾文子さん!!!
お母さんが原田知世ちゃん!!!
(ん~と、井上真央という女の子はよく知らないので思い入れは今のとこありません。)
中年の蕎麦屋の親父としては、これはもう見るしかないです!

んで録画して見てるんですが…

いろいろ引っかかっちゃって入り込みにくいんですわ。
たとえば
主人公の友達は小学校4年の秋に退学して奉公に出される訳ですが、戦前とはいえ義務教育中の子どもが小学校を退学させられるということがあり得たのかどうか。(尋常小学校の修業年限は6年間)
これが気になってしまって主役とその友達に感情移入するに至れない。

お母さん役の知世ちゃんは今週病没するらしいのですが、その病気は劇中の描写をみるかぎり「結核」。抗生物質以前は確かに不治の病でしたからそれはいいのですが、お母さんゴホンゴホン咳してる隣で小学生の娘が看病してたり、何の感染予防策もなしに入院せず自宅療養してたり…。結核菌の発見は1882年ですが、昭和初年の日本人が結核感染経路を知らないなんてことがあるだろうか、と思うよりなにより、お母さんが結核菌をまき散らしてるのが気になって気になって。

つらいことに耐えてあかるくたくましく生きてく、ってのがテーマでしょうから、んなことは枝葉末節でしかないのでしょうが、しかし、「神は細部に宿る」というのはホントだと思うのですよ。小さいところをおろそかにすると、それが気になって没入できない、感情移入できない、翫味できない、感動できないというのは確かにあると思うのであります。
蕎麦屋の料理でも同じ事はあるだろうなあと思うとちょっとドキドキしてしまいますが。

ん~、まあ、知世ちゃんだし、相変わらず可愛いので許してしまうわけですけどね。

おひさま。はやく蕎麦屋の話にならんかなあ。

んじゃまた

 亭主敬白

あ、そういえば「ゲゲゲ」も見てたっけ。

2011年3月31日木曜日

超絶美味の天ぷらネタ

こんな時に不謹慎かも知れませんが…
とはいえ、震災や原発の直接の被害をうけていない西日本は元気に生産活動と消費に取り組んで日本の復興を牽引するべきだと思うのであります。

以前にも書きましたけど、いろんな食材を天ぷらにして遊んでいるのでありますね。この時期ですからタラの芽、ふきのとうやらの山菜とか。出入りの業者が提案してくれた生麩とか。

で、ふとした拍子に出会ったのですね、天ぷらにすると超絶美味な食材に。
さくっと揚がった衣でコーティングされた中に旨味がぎゅっと濃縮されて、同時に、火を通して温められたタンパク質がよりいっそうの旨味と食感を増して、いやもう何とも美味美味美味。試食したスタッフ達も異口同音にうまいを連発。いやあ、なんでこんなうまいもんが天ぷらネタとして人口に膾炙しなかったのか、マジ疑問なのであります。
しかも特に高級食材というわけでなく、この時期どこのスーパーでも手軽に入手できる至って大衆的なネタ。
問題があるとすれば、あんまり美味いので洗面器一杯、いや、たらい一杯食べたくなってしまうことですかねえ。それほど美味しいのであります。
こんな美味いもん、メニューに載せなくてどーする?これで儲けたろうやないかい!ということで早速販売しています。
一口食べれば陶然となること請け合いの天ぷら、ぜひたくさんの方に食べていただきたいと切にこいねがう次第であります。

で、その食材とは一体何なのか?
意地の悪いことに内緒にしてしまうのでありますね。真実を知りたくば自ら足を運んでいただきたく。あしからず。でもね、喰えば絶対納得しはりまっしぇ、「超絶美味」という形容の正当性を。
そゆわけで、多くの皆様の御来店をお待ち申しているのです。

んじゃまた
亭主敬白