2010年7月16日金曜日

簡易CAD

月曜日から改装工事開始。
あれこれと不要な物が外され必要な施工がなされていく過程を毎日朝と夕方覗いてはワクワクしているところです。

施工業者の建築士さんがいうには、今回図面を引く必要がなかったのでとても楽だった、ありがたかった、とのこと。

これはつまり、必要備品のレイアウト等について、私の方で図面を作ってこれで行きたい、という形で発注したことをさしているらしい。通常は物件があって、施主の希望を聞いて必要な機器を見繕い、サイズを測り、動線を考え、…という作業は厨房設計の業者さんがするみたいですね。で、それはいろいろな要素が加味されについて変更に変更を重ね、いずれにせよその図面は業者さんがつくるらしい。ま、それが仕事ですから当然ですが。

私の場合は、厨房設計専門業者がはいる以前に物件を見てレイアウトを考えて概略の見積をとる、という段取りをとったもので、厨房の配置図の図面なんかは自分で作らざるを得なかったのですね。というか、とりあえず作って、それを修業先の社長およびそば釜メーカーに送ってレイアウトについて意見をもらうという作業を繰り返して一応の成案を作って「素人」に近い業者に見積を依頼した、という経過があったもんですから、とにかく動線を考え使い勝手を考えた厨房を自分で設計し、図面を引く必要があったのでした。

で、使ったのがエクセル。CAD(=パソコン製図)のソフトなんか持ってないし、必要性も感じてなかったもんで。
まず、行と列の高さ・幅をそろえて正方形の方眼紙っぽいワークシートを作る。
不動産屋からもらった概略図と、現地で実測した値をもとに物件の形を罫線で囲ったり、柱や壁を黒く塗りつぶしたりして、図面の下を作る。
方眼は10cm四方と設定。
さて、その方眼紙となったワークシートの上に、必要機器をオートシェイプを使って形を作る。たとえば幅120cm、奥行き60cmのシンクならセル12×6個分の長方形を作り、テキストを挿入して「物品名、WxDxHのサイズ、必要な設備(給水、排水、電源、ガス これらは赤い字で表示)を記入。
この要領で厨房に必要なすべての機器をサイズをきっちり調べてエクセルのワークシートに配置する。
縦置きしたけど横置きに変更したい、というときには「オートシェイプの変更」メニューに「回転・反転」とかがあるので自由自在。
これで水回りはなるべくそろえたい、ガス器具もまとめたい、と言ったことを考えるための情報も一覧化されてよく解る。
あれこれ考えて、あれをここへ、これをこちらへ、と言うときもクリックして図形指定して動かせばいいのでだいぶ楽。
まあ、方眼紙にテナントの図面を書いて何分の一かの縮尺で作った何枚もの型紙みたいな物をあれこれ並び替えるよりは遙かに楽。
で、これを一遍PDFファイルにして相談したい相手にメールで送って、それに基づいてご意見をいただく。これがとても具体的で役に立ったのでありました。
CAD用のソフトを持ってて使いこなせる方にはどうでもいい話ですが、エクセルだけでも簡易的なCADはできないことはないし、相手にこちらの思いを目に見える形で伝えるためなら充分それで用は足りる、ということであります。

で、結局施工業者の建築士さんは、テナントの図面はCADで作ってはくれたけど、厨房機器の配置に関しては私の作ったエクセルのシートをずいぶん活用してはったわけで、そら「楽やった」って言うわなあ。

とりあえず、使えそうなもんは何でも使え、ということなのですよね。山でもひとつのものをいかに多機能に使うか、というのが軽量化、安全化のためには必要な思考法だったわけで。
引き続きこの思考法は大事にすべきだと思っています。

器もなあ、兼用できる物は何でも兼用できたら安く上がるんだけどなあ…

明日からクロスの張り替え。またずいぶん店の印象が変わる事と思います。
「なんということでしょう!」とサザエさんに叫んでもらえるような嬉しい感じになったらいいなあと思います。

そういえば今日は祇園祭の宵山。明日は山鉾巡航のクライマックス。
まるきり無縁の日々が続くなあ。


んじゃまた
亭主敬白