2010年5月9日日曜日

東京横浜蕎麦三昧その2

東急池上線久が原駅から蒲田へ戻り、東急東横線に乗り換え終点「元町・中華街」へ。
元町商店街の東端あたりに亭主がした蕎麦修行を主宰している一茶庵の営業店舗が。
店を開くにあたっていろいろ知りたいことが出てきたのでせっかくの関東行きの機会なので社長に無理言って見学をお願いしたのです。
約束は3時で、その前に麻布十番で更科系の蕎麦屋2軒はしごの予定でしたが、小林熱機で案外時間をとってしまい麻布十番はあきらめ横浜へ直行。で昼飯を何処で喰うかということですが、やはりここは本家の蕎麦をく喰っておくべきやろうと見学前に天ぷら蕎麦をいただく。天ぷら三昧ですな。
期待通りにおいしいそばでした。この「期待を裏切らない」というのはとても大切な要素でありますね。心すべき事と思います。普天間の事とか見ててもそう思います。

食事後、約束より早かったけど思い切って見学をお願いすると、こころよくご了承いただき厨房に入って写真撮りまくり。メジャーでいろいろ寸法はかって、あれこれ店長さんはじめお店の人に伺って、そうこうしているうちにお客さんが来店、注文を受けて提供するところを目の前でみることができたのも収穫。
見学しながら思ったのですが、何事によらず、当たり前のことを当たり前に毎日堅実に続けることが基本なのだろうなあ。それこそ当たり前のことではあるのですが。

テーブルやお盆の寸法、木鉢の高さ、のし台の高さといったことから接客のシステムにかかることまで脈絡なくいろいろ調べ、教えてもらいましたが、「営業をし続ける」ということについても考える機会となったのはありがたかったです。まあ、まずは身体が資本やねえ。

感謝感謝で店を辞し山下公園で通販生活の店を覗き、「あかいくつバス」で横浜の観光コースを一回りして中華街で飲茶。ちと食い過ぎたと反省しつつ関内駅近くの宿で前後不覚に眠り呆け、気がついたら五月晴れの素晴らしい朝でありました。

江戸文化を学ぶべく両国の江戸東京博物館へ。凝った展示に感心。昼前に出て地下鉄両国駅に向かう途中、噂のスカイツリーを遠望しちょっと満足。
昼は上野不忍池近くの池之端藪と蓮玉庵と蕎麦屋2軒をはしご。
どちらも老舗。東京の蕎麦屋。まあ、そこはかとないカルチャーショックを感じたわけです。
汁の辛さは予想通りでそういうもんと理解していましたが、一人前の量の少なさに驚愕。
それと、妙齢のご婦人が一人で板わさを肴にビール飲み、ざるそばでしめてる姿がかっこよかったす。東京の人はホンマに板わさで飲むんだねえ、と感心。

そしてバスで浅草方面、合羽橋道具屋街へ。
大阪で言えば道具屋筋にあたる街ですが、規模が大きい。店の数が格段に多い。もう、ワクワクしっぱなしで。どの店も魅力的でおもしろい。調理器具のワンダーランドに魅入られた次第であります。ここで以前から欲しかった片口ステンレスボウルをゲット。これで出し巻き玉子が上手くなるに違いない。(笑)
合羽橋で時間を喰いすぎましたが、浅草の観音さんにもちゃんとお参りして商売繁盛と健康を祈願。
バスで東京駅に向かう途中、秋葉原でこれも老舗のかんだやぶそばへ。ビル街の中の明治東京といった佇まいの店は文化財となっているのもむべなるかな。実に雰囲気のある名店であります。
ここで喉を潤すべくビール、そして頼んでみました「板わさ」。
ふ~~~~~~~ん。結構なお値段であります。1cm厚に切ったかまぼこ2枚分でちょっと高めの蕎麦屋のざるそば一枚分くらいはするのです。ま、たしかにうまかった。おいしいかまぼこです。
しかしなあ。我が店で出せるかなあ。まあ、ここらにも東西の文化の違い、価値観の違いというのがあるんだろうと思いますが、京都で東京風の「蕎麦屋で酒」といった文化が根付くのか?自らも実践したい文化習慣として認識されうるだろうか?悩ましいところではあります。
しかしつくづく思うのは、所変われば品変わる。日本は広い。商品の価格は文化的習慣にも影響されるということを目の当たりにした感があります。にしても、かまぼこ切ってわさびと醤油つけてあの値段かあ。ふ~~~~~~ん。と江戸の粋には無縁のお上りさんは思ったのでした。

さすがに疲労困憊し、京都へは新幹線で戻りましたが知識情報と蕎麦、天ぷらをしこたま詰め込んだ二日間となりました。
東と西の文化の違い。ここらとどう折り合いをつけるのか。江戸蕎麦およびその周辺文化をそのままブランドとして打ち出すか?付け焼き刃となる危険は冒さず、京都の、あるいは亭主個人の蕎麦として打ち出すか?
こうした課題が意識化されたという意味においても今回の東京横浜行き、有意義であったと考えているのであります。

んじゃまた
亭主敬白